副業や小さなビジネスを始めたいと考えたとき、最も手軽にチャレンジできる販売チャネルのひとつが「メルカリ」です。さらに近年は、メルカリの拡張サービスとして「メルカリショップス」が登場し、個人や小規模事業者が本格的にネットショップを運営できるようになりました。
ただし、両者は似ているようで大きな違いがあります。「どちらを選んだら良いのか分からない」という方も多いでしょう。そこで今回は、メルカリとメルカリショップスの違い、それぞれのメリット・デメリット、そしてメルカリショップスのアカウント開設方法を詳しく解説します。
メルカリとメルカリショップスの基本的な違い

- メルカリ
日本最大級のフリマアプリ。ユーザー同士が不要品を売買できるCtoC(個人間取引)のプラットフォームです。出品できるのは基本的に中古品で、自宅に眠っている洋服、家電、本、ゲームなどを気軽に売ることができます。

- メルカリショップス
メルカリ内に「自分のお店」を持てるサービス。新品商品やハンドメイド作品、仕入れ商品を販売できるのが特徴です。ショップとして継続的に販売することを前提としているため、アカウント開設には審査があり、事業者向けの機能も備えています。
メルカリを使うメリットとデメリット
メリット
- とにかく出品が簡単
商品の写真を撮り、タイトル・説明文・価格を入力するだけで数分で出品完了。初めての人でもすぐに使いこなせます。 - 圧倒的なユーザー数
月間2,000万人以上が利用しているため、商品が売れやすい環境が整っています。特に人気ブランドや需要の高いアイテムなら出品から数分で売れることも。 - 即金性がある
不要品をすぐに現金化できるのは大きな魅力。副収入としても使いやすいです。
デメリット
- 販売できるのは基本的に不要品中心
メルカリでは中古品の売買が中心です。新品商品を継続的に販売することは想定されていないようです。 - 継続的な収益は難しい
出品できる商品は自分の不要品が中心。売り切れると商品がなくなり、安定収益にはつながりにくいです。 - 同一商品の大量出品は注意が必要
同じ商品を短期間で大量に出品・再出品する行為は、販売機会の公平性を欠くとして制限の対象になる可能性があります。
ただし実際には、同一商品を何十個も出品しているユーザーも多く、必ずしもすぐにBANされるわけではありません。あくまで規約上は制限対象になり得るものの、よほど悪質な場合でなければアカウント停止までは至らないケースが大半です。
そのため「リスクはあるが運営側も一定の容認をしている」と理解しておくとよいでしょう。
メルカリショップスを使うメリットとデメリット
メリット
- 新品や仕入れ商品を販売できる
メルカリでは制限のある新品販売も、メルカリショップスでは堂々と行えます。ハンドメイド作品や輸入雑貨、食品なども販売可能です。 - 「ショップ」として信頼性が高い
ショップページを作り、ショップ名やアイコンを設定できるため、購入者から「お店で買っている」という安心感を持ってもらえます。 - 在庫管理・ショップ運営が可能
複数の商品を並べたり在庫数を管理したりと、通常のECサイトに近い形で運営できます。 - 集客力を借りられる
BASEやShopifyなどのECサイトでは集客が課題になりますが、メルカリショップスは既に数千万人のユーザーがいる場所に出店できるため、集客面で圧倒的に有利です。
デメリット(実際に使って感じたこと)
- アカウント開設に審査がある
メルカリのように即日出品できるわけではなく、本人確認や審査が必要。開設まで数日かかる場合もあります。 - 継続的に商品を用意する必要がある
在庫切れが続くとショップの信頼性が下がります。安定して販売できる体制づくりが必要です。 - 手数料がかかる
販売手数料は10%。さらに振込時に200円の手数料がかかります。原価や利益を計算しておかないと赤字になることもあります。 - 配送方法に制限がある(ゆうゆうメルカリ便が使えない)
実際に運用してみて大きなデメリットに感じたのが配送方法の制限です。メルカリショップスでは「ゆうゆうメルカリ便(日本郵便)」が利用できません。
特に、メルカリで最も利用者の多い ゆうパケットポスト(ポスト投函OK) が使えないのは痛いポイントです。 そのため発送方法は「らくらくメルカリ便(ヤマト運輸)」が中心になります。ヤマト営業所、セブンイレブン、ファミリーマートが近所にある方にとっては便利ですが、ローソンしかない地域では発送が不便になりがちです。副業で毎日のように発送する方にとっては、生活圏内のコンビニや営業所の有無が大きく影響します。 - 振込方法の違い(任意申請ができない)
メルカリは売上が貯まると、自分の好きなタイミングで振込申請をして入金を受けられます。急にお金が必要になったときにも対応できるのがメリットです。
一方、メルカリショップスは 「月に1回」または「月に2回」 の自動振込制。任意で申請することはできません。
さらに、振込のたびに振込手数料がかかるため、振込回数を増やすとその分コストも増える点に注意が必要です。
メルカリショップスで販売するのに向いている人
- ハンドメイド作家(アクセサリー、雑貨、アート作品など)
- 農家や食品製造業者(野菜、果物、お菓子、パンなど)
- 輸入品や仕入れ商品を販売したい人
- 継続的に販売して副収入や本業につなげたい人
メルカリショップスのアカウント作成方法【詳しい手順】
- メルカリアプリを用意
- ショップ開設の申請
- 基本情報の入力(氏名・住所・電話番号・銀行口座など)
- 本人確認(運転免許証やマイナンバーカードをアップロード)
- 審査(数日で通知)
- ショップ情報を設定(ショップ名・画像・紹介文)
- 商品登録(写真・価格・在庫数を入力)
これで販売スタートです。
メルカリショップス運営のコツ
- 写真は明るく、商品が分かりやすいものを
- 説明文は丁寧に
- 価格設定は利益計算を忘れずに
- 在庫を切らさない
- 発送拠点を考えて運営する
- 振込タイミングを考慮して資金管理をする
まとめ
- メルカリは不要品を手軽に売る場。任意で振込申請できるため即金性が高い。
- メルカリショップスは副業や小規模ビジネスを本格的に行う場。
- メルカリでは「同一商品の大量出品」は規約上注意対象だが、実際には多くのユーザーが行っており、即BANされるケースは少ない。
- メルカリショップスは新品・仕入れ販売に向いているが、配送方法に制限(ゆうゆうメルカリ便不可)や振込が自動制など注意点もある。
副業でコツコツ収益を積み上げたい方、本格的に販売を始めたい方は、ぜひメルカリショップスに挑戦してみてください。
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